2018/02/11 Last update
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アミノ酸 amino acid は,広義には アミノ基 -NH2 とカルボキシル基 -COOH の両方をもつ有機化合物の総称 である(2)。
狭義には,タンパク質 protein の構成成分である α-アミノ酸を指す。α-アミノ酸の構造は右の図のように一般化される。すなわち,
アミノ酸の一般式
生体内での電離状況
ページの下にアミノ酸の構造の一覧があり,それぞれの官能基の pKa を合わせて示してある。全体として言えることは,COOH 基の pKa は低く,NH3+ の pKa は高いということである。つまり,COOH の部分は強い酸であり電離しやすい。一方,NH3+ は弱い酸で,電離しにくいということだ。
pKa は,アミノ酸の機能に関わる 非常に重要な概念 である。
これを身につけると,たとえば酵素の活性中心になぜヒスチジン His が位置することが多いのかが理解できるようになる。
右に pKa を理解するための一連のページを示したので,参考にしてもらいたい。番号順に読むとわかりやすいはずである。
Ala, alanine, A, アラニン
pK1 (COOH) = 2.4
pK2 (NH3+) = 9.9
pK1 (COOH) = 1.8
pK2 (NH3+) = 9.0
pK3 (側鎖) = 12.5
Asn, asparagine, N, アスパラギン
pK1 (COOH) = 2.1
pK2 (NH3+) = 8.8
pK1 (COOH) = 2.1
pK2 (NH3+) = 9.9
pK3 (側鎖) = 3.9
pK1 (COOH) = 1.9
pK2 (NH3+) = 10.8
pK3 (側鎖) = 8.3
pK1 (COOH) = 2.1
pK2 (NH3+) = 9.5
pK3 (側鎖) = 4.1
pK1 (COOH) = 2.4
pK2 (NH3+) = 9.8
His, histidine, H, ヒスチジン [histidiːn]
pK1 (COOH) = 1.8
pK2 (NH3+) = 9.3
pK3 (側鎖) = 6.0
pK1 (COOH) = 2.3
pK2 (NH3+) = 9.8
pK1 (COOH) = 2.3
pK2 (NH3+) = 9.7
pK1 (COOH) = 2.2
pK2 (NH3+) = 9.2
pK3 (側鎖) = 10.8
pK1 (COOH) = 2.1
pK2 (NH3+) = 9.3
pK1 (COOH) = 2.2
pK2 (NH3+) = 9.2
Pro, proline, P, プロリン
*7/15/2016 構造を修正
pK1 (COOH) = 2.0
pK2 (NH3+) = 10.6
Ser, serine, S, セリン
pK1 (COOH) = 2.1
pK2 (NH3+) = 9.1
pK3 (側鎖) = 約 13
pK1 (COOH) = 2.1
pK2 (NH3+) = 9.1
pK3 (側鎖) = 10.1
pK1 (COOH) = 2.2
pK2 (NH3+) = 9.7
Tau, taurine, タウリン
生体で重要な働きを示す分子で,アミノ酸のように扱われているが,カルボキシル基 carboxyl group をもたないためアミノ酸ではない。イカ,タコ,カキ,アサリなどに多く含まれる。
NAA, N-Acetyl-L-aspartate, N-アセチルアスパラギン酸
Glu の次に高い濃度で脳 brain に存在する遊離アミノ酸。神経 neuron で作られ,軸索から細胞外液へ流出する。浸透圧調節や Asp の前駆体として機能していると思われる。脳で神経細胞数のマーカーとして使われる。
β-N-methylamino-L-alanine, L-BMAA
ソテツ類に含まれる神経毒性をもつアミノ酸(Kisby, 2013a)。