NMDA 受容体,NMDA receptor

7-13-2015 updated



概要: NMDA 受容体とは

NMDA 受容体(NMDAR)は,記憶学習などに関わるグルタミン酸 Glu の受容体である(2)。

 

他にも AMPA 受容体,カイニン酸受容体が神経伝達における Glu の受容に関わるが,この受容体に対しては NMDA (N-methyl-D-Asp) がアゴニストとして選択的に作用するので,この名前がつけられている。

 

NR1, NR2A-D, NR3A-B の 3 つのサブユニットから成る。

活性化した状態の NMDAR (1)


> NR3A サブユニットを含む NMDAR の発現の低下が,シナプスの成熟と memory consolidation に必要である(3)。


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References

2. ベアー コノーズ パラディーソ (2007). 西村書店.

イラスト,コラムが充実した神経科学の本。生化学の教科書に例えるなら,雰囲気としてはヴォートよりもハーパーの生化学に近い。


ニューロン,グリア,活動電位といった神経科学の基本から,精神疾患やシナプス際構築など,かなり specific な話題にまで展開している。動物の行動実験についても例がたくさん載っているが,あくまで神経科学に関係する範囲で扱われており,実験方法の詳細が載っているわけではない。


また,付録としてヒトの脳の詳しい図が載っているのも役に立つ。よく見る地図だけでなく,血管の分布や様々な断面が載っていて,構造を理解しやすい。

  1. Roberts et al. 2009a. Downregulation of NR3A-containing NMDARs is required for synapse maturation and memory consolidation. Neuron 63, 342-356.