7-19-2014 updated
血液中でに遊離状態で存在する脂肪酸のこと。
ここで,「遊離」は脂肪酸がエステル化されてTAGなどに組み込まれていないことを意味する。実際には,血中にある遊離脂肪酸の大部分はアルブミンなどのタンパク質と結合しており,完全に遊離しているわけではないので,「非エステル化脂肪酸(non-esterified fatty acid, NEFA)」と表現することもある。
原則として,FFA は血液中から素早く細胞内に取り込まれる。
> 3H 標識した palmitate-BSA を fasting mice に注射すると,4 分で血中量は10%になる(4R)。
: 4 分後には心臓での 3H 量は最大になっており,10分後にはむしろ4分後よりも減る。
> 齧歯類の第三脳室に FFA を注入すると,食欲 appetite が抑制される(3I)。
: 一般に FFA は血液脳関門 BBB を通過しないため,生体内でこの現象が起こっているかどうか不明。
: 飢餓状態では,脂質が動員されて血中 FFA が増えるため,食欲抑制とは矛盾する。
血液をプロトンNMRにかけることで,リポタンパク質中の脂肪酸量を測定することができる。しかし,アルブミンと結合したFFAのピークはブロードであり, spin-echo spectra では見ることができない(2)。