日本語でも英語でも同じで,簡潔かつメールの内容がすぐにわかるような具体的な件名 が望ましい。英語に特徴的な注意点(5)は,
以下のような件名は,スパムと間違われる可能性があるので,避けた方が無難である。
代表的なパターンを表にする。文献 9 をもとにいろいろと追加している。
Thank for for *** | お礼のメール。 |
Requesting *** | 何かを要求,お願いするメール。日本人の感覚では Request は強すぎる単語のような気もするが,とくにそういうわけではなさそうだ。 |
Greetings from *** | *** には名前や地名が入る。どこかに引っ越した後,近況報告をしたりするのはこの件名で良いだろう。 |
Update - (Project name etc) | Update は,日常会話でもよく使われる言葉なので覚えておこう。何かを報告した後,Thank you for updating と言われることが多い。簡単な報告というイメージ。 |
それほど親しくない相手に対しては,Dear で始めるのが一般的なようである。相手が研究者ならば,博士号をもっているかどうか確かでないときにも Dr. がよいだろう。
Ms. は Miss, Mrs の両方に使える表現なので,女性への一般的な敬称としては最も無難である。 Miss, Mrs は使われなくなってきているらしい。また,厳密な区別ではないが,コンマをつけるのは英国・欧州式,アメリカ式は Dear Mr. Smith: のようにコロンを使うらしい(5)。 しかし,実際にはほとんどのメールでコンマが使われているように思う。
そのほか,Hi で始めるパターンもよく見かける。これは親しい間柄ということになるので,first name を使うことが多い。
なお,Mr. などの敬称のあとに first name や full name は基本的に使わない ので注意すること。
宛先が複数のときは
などをよく見る。しかし,これは同じチームや研究室内の連絡という印象で,たとえば出張先でお世話になった数人の人にまとめてお礼のメールを送るときに適切かどうかわからない。"Dear All" を文法的に正しい英語ではないと感じる人もいるらしく,使用には注意が必要(3)。
また,お悔やみのメールを送る際には,親しい間柄であっても Hi は軽くて不適切。Dear を使い,Sincerely を結語にするのが適当(8)。
Dear や Hi をつけずに,名前だけを書くパターンもみることがある。これは礼儀正しいのかどうか,どうもよくわからない。
自己紹介から始める。
My name is... よりも This is...の方が,また重文よりも関係代名詞の方が自然な感じがして,総じて 1 の例文の方がカジュアルな気がする。たとえばレストランなどに予約の電話をするときは,相手が出たらファーストネームを使って "Hi, this is Helen. Can you ... ?" のように始めていることが多い気がする。
などが一般的な表現のようだ (6)。一方,ニュージーランド在住の方のブログでは,Long time no see は実際にはあまり聞いたことがないとも書かれている。
「メールありがとう」では,親しい間柄では
が良さそうだ。
「お返事ありがとう」の場合は Thank you for your reply. が基本。「早い返事をありがとう」の場合は,prompt や quick を使うようだ。
友人同士,やや軽い感じ
お詫びの意味では sorry が,「返事をする」には reply, get back, write you back などの表現が一般的なようである。
少しフォーマルな感じ
仕事の取引先からの例として示されている。sorry でなく apologize を使うと,フォーマルな感じが出る。
口語で一般的な How are you? は,友達への informal なメール ではよく使われる(7)。 似たような用例として,
なども使われるようだ(7)。 最後の How are you doing? は,会話でも非常によく使われるフレーズで,おそらく頻度としては How are you? よりも高いと思われる。
やや formal なメール では,
など。
「お忙しい日々を送っていることと思います」 は以下。 spending よりも having の方が用例が多そうである。
"I am writing + to 不定詞" は,よく使われるフレーズである。
用件がうまく to 不定詞で表すことができない場合は,I am writing to you regarding *** という表現が便利(8)。