6-20-2017 Last update
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関連項目
各セクションの書き方の基本
Tips と特別な表現
統計表現
とりあえず重要ポイントをメモ。
Introduction は,本文の内容に関連した strong statement から始める。 この文章は強い必要があり,さらに 大 → 小の原則もあるので,容易に例外が思いつくような specific な文章はふさわしくない。以下のように,いくつか典型的なパターンがある。
定義から始める
Reference を伴うこともある。遺伝子の名前,実験の名前などの場合もある。いずれも,論文の中心的なトピックとなる概念(太字で示す)についてのシンプルな説明,という形で理解できる。
長い間問題となっている,最近注目を集めている
Hokama et al. 1995a. Phychiatry Res 61, 209-229.
以下に挙げるのは,いずれも原著論文(レビューではない)の Introduction の第一パラグラフの最後の文章である。
ごく普通に事実で締めるパターン
次の段落の始めに,それを受けて発展させることもある。
Frost & Moy 1989a. Exp Brain Res 78, 203-213
「〜が重要である」 として,次のパラグラフに繋げるパターン
Tian et al. 2013a, Aquaculture 400-401, 29-35.
これまでの研究の問題点を指摘するパターン
Few studies, restricted, neglected, delayed など,問題点を指摘する言葉が使われる。 以下の「未知の点を特定する文章」でも述べる通り,どこでこの文章を挟むかは Introduction の構造上の難しい問題の一つである。
Wu et al. 2013, PLoS One 8, e73670.
Hosoi et al. 2005, Brain Res 1039, 199-202
Introduction の目的の一つは,既知の点と未知の点を読者に理解してもらうことである。したがって,未知の点をはっきりと示す文章は Introduction 中の重要なポイント であり,多くの場合,次に示す「仮説の提示」と対応する構造をとる。 以下のように,多様な表現がある。
比較的早い段階で general な未知の点,後半で specific な未知の点が示される場合もあるように思う。
よく使う単語 | 文例 |
whether |
|
remain |
|
rare |
|
little |
|
explain |
|
question |
|
dearth |
あまり使われない表現。
|
多くの論文では,Introduction のどこかで仮説 hypothesis の提示を行っている。
この仮説は,論文のストーリーを作るためにデータから遡って設定されることも多いし,実験をする際に明確に意識されていないことも多い。また,リスト作りなどのように明確な仮説のない研究もあるので,これは Introduction にどうしても必要な要素ではない。
しかし,「仮説検証」というのは論文の典型的なパターンの一つであるため,自分の研究が何らかの仮説をテストしていると解釈できるときには,それを明示しておくのが読者に対して親切であろう。
次節の「最後のパラグラフ」に含まれることも多い。
よく使う単語 | 文例 |
hypothesize | |
wonder |
|
seek, sought |
|
この論文で何を行ったかを明確に示す文で,多くの場合は最後のパラグラフに置かれる。パラグラフの頭に来るケースも多々ある。
原著論文でなく総説 review のときには,In this review... として「何に関する総説なのか」をイントロで述べる場合が多い。最後のパラグラフの場合もあるが,原著論文よりも早めに登場する場合が多いように思う。
イントロの最後に,論文の内容を簡潔にまとめるパターンもある。個人的にはあまり好みではなく,あっても 1 - 2 文で簡潔に済ませるべき であると思う。
なぜならば,近い意味の文章が Abstract,Discussion の最後,Conclusion などで繰り返されることになるためである。さらに,Discussion の書き方 によっては,最初のパラグラフでも同様の内容が述べられることになる。結果として表現も重複し,論文が冗長になるように思う。
おそらく Elsevier の雑誌では,以下のように投稿規定でこれを非推奨要素にしている(2)。
State the objectives of the work and provide an adequate background, avoiding a detailed literature
survey or a summary of the results. The Introduction should be brief, not normally exceeding two manuscript pages. Keep references to a minimum by citing reviews rather than primary research papers where appropriate.