酢酸は,CH3COOH で表される馴染み深いカルボン酸である。生体内では,アセチル CoA リガーゼの作用によって補酵素 CoA と結合し,アセチル CoA としてTCA回路 に入るのが基本的な代謝経路である。
> ヒトの脳には0.4 - 0.8 mmol/kg wet weight 程度が存在し,脳腫瘍や虚血などで増える傾向にある(3)。
> 1H NMRでは,1.90 ppm の単一のピークとして検出される。pHが低いと低周波数側にシフトする(3)。
> アルコールは細胞質でアセトアルデヒドに,次いでミトコンドリアで酢酸に代謝される(1I)。
> 脳でグルコースのかわりのエネルギー源になる。
> 脳では,酢酸を取り込む能力の高いアストロサイトで中心的に代謝される(2R)。
> 重度の飲酒者では脳への酢酸輸送が活発で,脳の酢酸濃度,脳の酢酸量/血中酢酸濃度が高い(1R)。