アンモニア NH3 は,水中では一部が水素イオンと結合しアンモニウムイオン NH4+ となる。生物にとっては,極性が低く細胞膜を通過できる NH3 の方が有害 である。
> NH3 と NH4+ の量比は,pH,水温,塩分,水圧などに影響される(2)。
> 毒性は NH3 の方が 2 桁高い(3)。
> 水深 30 m までは約 0.01 µM,60 mで最大値 1.2 µM,100 m で再び 0.01 µM (1)。
: NH4+を NH3 に転換し,疎水性膜を透過させた後に比色法で測定。全アンモニアの濃度である。
: 海水でのアンモニアの測定法に関する論文。
: Gulf Stream/slope water front (37˚58.41' N; 72˚04.84' W) off the east coast of the USA.
: Cast was taken on 5 May 1985 at 20.00 hrs.
> アンモニアは家庭排水や農業排水に含まれる有害物質の一つで,排水中の濃度は 10 - 200 mg/L (3I)。
: 水生植物の成長を阻害する要因になり,その要因の一つにアンモニアによる活性酸素の発生がある。
> 魚の糞,食べられなかった餌,死骸などに含まれるタンパク質がバクテリアによってアンモニアになる。
> また,魚類では窒素代謝の最終産物がアンモニアであり,これを尿素などに変換せずに鰓から直接排出している。
> アンモニアは,ろ過バクテリアによって亜硝酸塩 nitrite または硝酸塩 nitrate に変換される。
> この反応がうまくいっていないと,水質が悪化する。