核酸関連項目
ミトコンドリア関連項目
関連タンパク質
核酸 nucleic acid のページにあるように
ヌクレオシド nucleoside = ペントース + 塩基
ヌクレオチド nucleotide = ペントース + 塩基 + 1 個以上のリン酸
核酸 = ポリヌクレオチド
であるので,ATP はヌクレオチドにあたる。構成要素はリボース ribose,塩基のアデノシン adenosine および triphosphate unit である。
> ATP は,細胞内では Mg2+ や Mn2+ と結合しており,これが active form である(1)。
> アデニンでなく,他の塩基が結合したヌクレオチドも使われることがある(1)。
: GTP-GDP-GMP, UTP-UDP-UMP, CTP-CDP-CMP など。
: Diphosphate をリン酸化する酵素を nucleotide diphosphate kinase という。NDP + Pi -> NTP。
: リン酸基が外れるときに得られる自由エネルギーは他のものでも同じだが,ATP が最も使われる。
> 補酵素である NAD+ や FAD は ATP の誘導体である(1)。
ATP のもつ自由エネルギー free energy が,その加水分解産物である ADP + Pi よりもかなり大きいためである(1)。
たとえば,グリセロール-3-リン酸がグリセロール glycerol と Pi に分解される時に放出されるエネルギーは 9.2 kJ/mol であるが,ATP が ADP と Pi になるときには 30.5 kJ/mol のエネルギーが放出される(1)。 これは,要は ATP よりも ADP, Pi がかなり安定なためである。その理由は以下の 3 つ。
ところで,ATP よりもリン酸基の解離に伴う自由エネルギーが大きい = phosphoryl group を手放しやすい物質が生体内に存在する(1)。このような物質は,逆に ADP から ATP を合成することができる。以下の表にまとめる。
分子 |
説明 | エネルギー |
ホスホエノールピルビン酸 Phosphoenolpyruvate PEP |
解糖系 glycolysis はグルコースをピルビン酸に変換する過程で 2 分子の ATP を生み出す。その反応が,PEP および下の 1,3-BPG から ADP へのリン酸基の転移である。これは,両分子が ATP よりもエネルギー準位が高いために起こる反応である。 |
-61.9 kJ/mol (3)
|
1,3-ビスホスホグリセリン酸 1,3-Biphosphoglycerate 1,3-BPG |
PEP と同じく,解糖系の中間体である。
つまり「解糖系は 2 分子の ATP を生み出す」は,「解糖系は ATP よりも高エネルギーな中間体を 2 つ含む」と同じことを言っている。 |
-49.3 kJ/mol (3) |
クレアチンリン酸 Creatine phosphate |
クレアチン creatine がリン酸化されたクレアチンリン酸は高エネルギー分子。
筋肉や脳 brain における ATP 再生のメカニズムである。 |
-43.1 kJ/mol (3) |
カルバモイルリン酸 Carbamoyl phosphate |
尿素回路の中間体。 | -51.4 kJ/mol (3) |
ATP は細胞のエネルギー通貨である以外に,タンパク質 protein がリン酸化修飾 phosphorylation される際にリン酸基を供与するという役割もある。これによって,細胞のエネルギー状態と代謝調節がリンクされている。
ここでは,リン酸化,リン酸化酵素 kinase,脱リン酸化酵素 phosphatase についてまとめる(1)。適切なページを作ったら,適宜内容を移動する。