11-2-2014 updated
脳梁 corpus callosum による左右半球間の情報伝達は,脳 brain の正常な活動に必要であるが,視覚野 visual cortex では特に重要と考えられている。これは,右目からの情報が左半球に,左目からの情報が右半球に伝わるという特徴のためである(1)。
> ネコでは,area 17 と 18 の間の狭い領域から逆半球の相同領域に投射している(1)。
: 軸索は,layers 2-3 と layer 5 の上部に,2, 3 個のクラスターを作って投射している。
: Layers 3, 4 に callosal neuron があるという報告も(2R)。
> げっ歯類では,霊長類やネコと異なり,視覚野の全体が結合している(1)。
: Layers 1-3, layer 5 に主に存在する。
暗闇での飼育実験や,脳梁の発達前に目を切除する実験から,視覚自体(visual cortex の神経の活性)が脳梁の発生に影響することがわかっている。
> 子猫では,片目の切除 monocular enucleation で areas 17, 18 の脳梁がばらけた分布を示すようになる(2I)。
: 片目だけに eyelid をつけたり,斜視 strabismus であったりしても同様の結果になる。
: ぼやけた画像を見せながら飼育すると,callosal neuron の数がへる(2D)。
> 暗闇での飼育 dark rearing によって,callosal projection の数が低下した(2R)。
: 脳梁は,発生過程ではまず数が増え,そこから減少する。視覚は,この減少の過程に関与する。
: 視覚があると connection が維持される。つまり,暗闇飼育では減少が激しくなり,結果として成体では神経の数が減る。