1-23-2016 updated
ポジトロン断層法 positron emission tomography, PET は,陽電子を利用した生体イメージング法である。研究および臨床で使われている生体イメージング法は,大体以下の表のような特徴がある。
PET は,とくに組織の形態でなく 機能 を解析できるという特徴がある。一方で,組織の高解像度画像を得られないという欠点があり,これを克服するために,近年では他の方法と組み合わせた PET/MRI や PET/CT が使われるようになってきている。
方法 | 原理 | 解像度 | 特徴・主な用途など |
---|---|---|---|
PET | 陽電子の検出 | 5 mm | 被爆する。形態ではなく,グルコースの取り込み量など組織の機能解析が中心。 |
MRI | 核磁気共鳴 | 1 mm | 高価で撮影時間が長いが,形態や機能など応用性が高い。 |
CT | X 線 | 0.5 mm | 被爆する。組織の形態のみ。 |
超音波画像診断 | 超音波 | 1 mm | もっとも簡便で安全。組織の形態のみ。 |
PET では,生体内のタンパク質量,酵素活性,遺伝子発現量などを可視化できる。