9-9-2014 updated
ラットの脳 brain では,ventral hippocampus から mPFC への投射があることが知られている(1I,2I)。また amygdala からの投射も有名であり,両者のバランスに関する研究が数多く行われている。
> とくに prelimbic (PrL) and infralimbic (IL) cortex への投射が多い(3R)。
> Glutamatergic neuron, GABAergic interneuron の両方が投射している(1I)。
> Ventral hippocampus を刺激すると,興奮性および抑制性の両方の刺激が mPFC neuron へ伝わる(2R)。
> Amygdala からの投射も,興奮性と抑制性の両方がある(2R,3R)。
mPFC において,vHipp と amygdala からの投射は相互作用している。前者は記憶に,後者は fear と報酬系に関係している(3I)。
> Amygdala から投射している神経の末端は,vHipp からの投射の神経末端近くに位置する(1I)。
> vHipp と amygdala を同時に刺激すると,mPFC neuron の活性化は強まる(3R)。
: しかし,20 - 40 ms ずらして刺激すると逆に弱まる。タイミングが重要である。
> 幼児期に vHipp を切除したラットは,統合失調症 schizophrenia のモデルである(2I)。
: 統合失調症に似た行動異常が多く認められる。
> 幼児期のラットで mPFC を切除しても,統合失調症に似た症状は認められなかった(2R)。
: しかし,幼児期に vHipp を切除し,成体で mPFC を切除すると,その症状がみられなくなった。
: したがって,vHipp 切除の効果は mPFC を経由していると考えられた。