11-30-2014 updated
> 第 1 次視覚野(V1)は,大脳皮質で視覚情報を最初に受け取る領域である(3)。
: 個々の細胞は,視野に提供された縞模様に応答し,その強さは縞の向きによって異なる。
: 応答は,発火頻度 firing rate の増大として観察される。
> 視覚情報は lateral geniculate nucleus (LGN) という神経核から visual cortex に伝わる(5)。
: LGN の方が,visual cortex よりも高い振動数で LFP が変化する。
: LGN からの投射を受けるのは,layer 4, layer 6 である。
> 生物種指定なし: 開眼時には未熟で,critical period の間に機能,構造とも完成に至る(6)。
> ラットでは,postnatal day 35 までに visual acuity が成体と同じレベルになる(6)。
: 暗闇で飼育すると,この発達が阻害される。
: 左右半球が脳梁 corpus callosum を通じてコミュニケーションすることが重要である。
: これは,片方の半球でシナプス伝達を阻害すると,逆側でも機能阻害が起こることから示された。
> 左右半球が脳梁 corpus callosum を通じてコミュニケーションすることが重要である(6)。
: 片方の半球でシナプス伝達を阻害すると,逆側でも機能阻害が起こる。
統合失調症 schizophrenia では,高次の情報処理を司る prefrontal cortex (PFC) に萎縮などの変化がみられることがよく知られているが,visual cortex にも変化が起こる。原則として,組織が萎縮する傾向を示す。
> Visual cortex では,皮質容積が 22% 低下,神経細胞 neuron 数が 25%低下していた(4R)。
: 統合失調症患者 10 名と,年齢を合わせた対照群 10 名。BA17 について死後に測定。
: 神経細胞の密度は変わらなかった。BA17 領域が全体的に小さくなっている感じ。
> Visual cortex では,V1, V2, V5/MT+ 領域で皮質の折りたたみ gyrification が増えていた(3R)。
: 皮質の厚さが減っていたのは,V5/MT+ 領域のみであった。72人の患者を調べている。
: 皮質の発生に異常があるため,折りたたみを増やして補償していると考えている。
: 大脳皮質の形態形成は,通常2歳より前に起こる。統合失調症の原因が若い頃にあることを示唆する。
内田 2007a (Review). 神経細胞の膜電位がもつ双安定性と状態遷移: その仕組みと情報処理における役割. 生物物理 47, 362-367.