5-11-2017 Last update
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Harmanが1956年に提唱した The free radical theory of aging(老化のフリーラジカル説)が原点とされる(3)。
酸化ストレスの原因となる活性酸素種(ROS, reactive oxygen species)には過酸化水素(hydrogen peroxide, H2O2)や一重項酸素(singlet oxygen, 1O2)などラジカルでないものも含まれるため,この説は最近では The oxidative theory of aging(老化の酸化ストレス説)と呼ばれることが多い。
> C. elegans は環境酸素濃度に鈍感で,2-40% で寿命は変わらない。1%で長寿,60%で短くなる(1)。
> 30-40% のカロリー制限を与えたマウスでは,後脚骨格筋ミトコンドリアの酸化ダメージが減る(8)。
> Little brown bat は,同程度の代謝速度をもつ哺乳類よりも ROS 産生量が少なく,かつ長寿である(11R)。
> 鳥類は,同程度の代謝速度をもつ哺乳類よりも ROS 産生量が少なく,かつ長寿である(11I)。
> 長寿系統の Drosophila では,加齢に伴う ROS 量の増大が穏やかである(11I)。
> 大腸菌 を過酸化水素で処理すると,DNA に変異が入り死亡する(12I)。
一般に,老化に伴って生体物質の酸化は進行する。
たとえば,タンパク質への酸化ダメージはカルボニル基の生成量によって評価することができる(9)。ただし,その量は組織ごとに異なっており,体全体で比較してもあまり意味がない。
> Fisher 344 rat 肝臓,腎臓,腸で,DNAの酸化ダメージの指標 Oh8dG が加齢とともに増加する(5)。
抗酸化酵素 Cu/Zn SOD, Mn SOD, catalase, Gpxなどの過剰発現が,多くの生物で行われている。全体として,期待されたほどの効果は得られないという結論になっている。
詳細は,それぞれの抗酸化酵素のページにまとめてあるので参照のこと。
> C. elegans の sod-1,sod-2 遺伝子を阻害しても寿命は短くならなかった(7)。
: C. elegans は 5つの sod 遺伝子をもっており,どれかの発現が上がって補償している可能性もある。
> Drosophilaでは,タンパク質制限で寿命が延びたときにも酸化ストレス耐性は上がらない(10)。