9-7-2014 updated
霊長類の大脳皮質には形態学的に少なくとも 13 種の介在ニューロンが存在する(1)。これらはマーカー分子の発現により大きく 3 つのグループに分けることができる。
Co-localization between GAD67, parvalbumin, and calretinin. Top panel: the images of GAD67, parvalbumin, and calretinin were pseudocolored into green, red, and purple respectively. Bottom panel: the three images were superimposed together. Arrow 1: calretinin positive neuron. Arrow 2: GAD67 positive neuron. Arrow 3: neuron expressing both GAD67 and parvalbumin. Arrow 4: neuron expressing both GAD67 and calretinin. Scale bar: 500 mm.
doi:10.1371/journal.pone.0032043.g006
文献3より転載。蛍光免疫染色ではなく,発色法でパソコン上でカラーを変えた図である。
カルシウム結合タンパク質パルブアルブミン parvalbumin を発現する。これらは pyramidal neuron (錐体ニューロン)の細胞体周囲に抑制性のシナプス synapse(GABA を放出)を形成する(1)。
Pyramidal neuron は,脳 brain の主要な興奮性ニューロンである。PV-positive interneuron は,その発火のタイミングを制御することで,脳の情報伝達を調節する機能をもっていると考えられる。
> このニューロンは,PV in situ hybridization で layer 3 - 4 を中心に検出される(1)。
> Mouse cortex では,全ての PV-positive neuron で GAD67 が発現している(2R)。
: GAD67 は GABAergic neuron のマーカーである。
> Mouse cortex では,パルブアルブミンとカルレチニンは共局在しない(2R)。
ソマトスタチン somatostatin を発現する SST-positive interneuron は,pyramidal neuron の樹状突起の末端に抑制性のシナプス(GABA を放出)を形成する(1)。
ここには他の領域からの投射が興奮性シナプスを形成しているため,SST-positive interneuron による GABA 伝達は,他領域から来る興奮性シナプス電位をキャンセルすることで,入力の選択性を調節していると考えられる(1)。
SST-positive interneuron の多くは,神経ペプチド neuropeptide Y(NPY)も発現する(1)。
カルレチニン calretinin を発現する CR-positive interneuron は,他の介在ニューロンに対して抑制性(GABA)のシナプスを形成する(1)。
多くの介在ニューロンは,上に見るように pyramidal neuron を抑制するため,CR-positive interneuron は結果として pyramidal neuron による神経伝達を活性化すると考えられる(1)。