11-2-2014 updated
関連項目
Local field potential (LFP) とは,以下のような方法で電気的に記録したニューロン neuron の活動である(1)。一定の範囲に含まれる神経の平均的な活動,とくにシナプスの活性を示す指標であると考えられている。
ニューロンの電気的活動の測定法として,細胞内記録 intracellular recording および細胞外記録 extracellular recording がある(5)。
細胞内記録は,細いガラス電極を細胞に差し込んで細胞内電位を測るもので,以下のような特徴がある(1)。
ほとんどのニューロンは小さいためにこの方法を行うことは困難で,活動電位の初期の研究は哺乳類より50-100倍大きな無脊椎動物のニューロンで行われていたという理由がよくわかる(5)。
細胞外記録は,脳組織に金属の電極を差し込む。特徴は
図は文献3から転載。なお,電極を刺さずに頭皮の上などから電極で検出された電気的活動が脳波 EEG である。
細胞外記録では,電極とニューロンの位置関係により LFP の振幅や波形が変化する。LFP からスパイク応答を検出する方法は spike sorting と呼ばれ,数理上の興味深い問題である(1)。
ニューロンは体組織の中に埋まっており,その体組織は 3 次元的な広がりをもつ伝導体(体積伝導体,volume conductor)である。
> 体組織は,一般に生理食塩水よりも電気を通しにくい(6)。
: インピーダンス impedance は 200 - 400 Ω/cm であり,生理食塩水の ~ 65Ω/cm よりも低い。
: インピーダンスは,交流における抵抗のような概念である。
: これは,イオンが動けるスペースが生理食塩水中よりも限られているためと考えられる。
> 麻酔されたラットの mPFC では,約 1 Hz の遅い LFP の振動が観察される(2R)。