上の図は文献1から,右の図はWikipedia「シナプス」よりそれぞれ転載。
右図で2がグルタミン酸を含む小胞,5が受容体である。
> Glu-Gln サイクルの意義は,Glu を速やかにシナプス間隙から除去しつつリサイクルすること。
: アンモニア解毒の可能性も考えられるが,Gln 合成量は解毒すべきアンモニア量よりも多い(6)。
: 体内のアンモニア濃度が高いと,alaplerosis の寄与が 30% 強まで増える(2)。
> ラット大脳皮質では,脳内の Glu の70-80%程度を生み出している。残りは補充反応 anaplerosisによる(2)。
> ニューロンでGlnからGluを作る加水分解反応は,PAG (phosphate-activated glutaminase) が触媒する(3)。
> アストロサイトに取り込まれたGluは,TCA回路に入って分解されることもある(3)。
> ニューロンでは Glu-Gln cycle が活発であり,その flux である Vcycle が測定されている(1I)。
: 麻酔をかけられたラットでは,ニューロンのTCA回路のfluxの 30 - 42%程度。
: 覚醒状態のラットやヒトの大脳皮質では,neuronal TCA flux の 38-50%程度。
Condition (tissue, experimental conditions, etc) |
Vcycle
(mmol/kg/min, mean ± SD) |
Ref |
ヒトの脳。実際には測定せずに文献値を使用 | 0.33 of VtcaN(ニューロンのTCA flux) と定義 | 5 |
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Condition (tissue, experimental conditions, etc) |
Vcycle
(mmol/kg/min, mean ± SD) |
Ref |
Halothane で麻酔したラットの脳。灰白質,白質が混ざった値 | 0.25 | 6 |
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Vcycle を計算するための微分方程式として,以下のような関係式が用いられている(4)。
それぞれの文字の意味は以下の通りである。