アルコールデヒドロゲナーゼ (alcohol dehydrogenase, ADH) は,アルコールを脱水素し,アルデヒド aldehyde またはケトン ketone を生成する反応を触媒する酵素である(1)。狭義には,NAD を補酵素とする酵素 EC 1.1.1.1 を指す。
NAD または NADP を補酵素として用いる。どちらが使われるかは,酵素のアイソフォームによって決まっている。また,1 級アルコールおよび 2 級アルコールのどちらを分解するかもアイソフォーム依存的である。
> ADH はアリルアルコール も分解することができ,有害な acrolein (allyl aldehyde) ができる(2)。
: ADH 活性をもつ菌株のスクリーニングに,allyl alcohol を添加する方法がとられることがある。
EC 番号 | 補酵素 | 基質 |
EC 1.1.1.1 |
NAD | 1, 2 級 |
EC 1.1.1.2 | NADP | 1 級 |
EC 1.1.1.71 | NAD, NADP |
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1.岩波理化学辞典 第 4 版
2. Zhu et al. 2011a. Coproduction of acetaldehyde and hydrogen during glucose fermentation by Escherichia coli. Appl Environ Microbiol 77, 6441-6450.