このページでは,Foxo と寿命 lifespan の関係についてまとめます。
ヒトの Foxo が長寿と関係しているという association study は,2012年の時点で少なくとも8個ある(4I)。以下に示すマウス,Drosophila,C. elegansと同様に,寿命を延ばす作用があると考えられる。
> dfoxo null mutant は,野生型に比べて寿命が短い(5R)。
: ただし,カロリー制限やタンパク質制限に対する寿命の変化は野生型とほぼ同じである。
> Head fat body で dFOXO を発現する系統はオスもメスも寿命が長い。酸化ストレス耐性も増大(2R)。
: 繁殖には影響しなかった。
: Head fat body, peripheral fat tissueに脂質がたまった。
> ほぼ同時に,fat body での過剰発現で寿命が20 - 50%延長という論文が別団体からも出ている(1R)。
: なお,fat body で dPTEN(ショウジョウバエのPTEN)を過剰発現しても長寿になる(3)。
> 脂肪組織での dFoxo 過剰発現は,dlip 2 を通じて寿命を延ばすかもしれないが詳細は不明である(3)。
: Head fat body でのdFoxo過剰発現は,神経細胞 mNSCs で dilp2 の発現を低下させる。
: mNSCs はインスリン様リガンドを分泌する神経で,哺乳類のβ細胞と相同と考えられている。
: しかし,abdominal fat body で過剰発現しても mNSCs dlip2 の発現は変わらない。