> 調べられた全ての真核生物に存在し,常温でも多量に発現する一方,熱で発現量が増える(1I)。
> キナーゼや転写因子など,多様かつ特異的な標的をもっている(1I)。
突然変異や進化は,原則として遺伝子配列の変異に由来する。しかし,変異と表現型は直結しておらず,間にクッションとなる buffering system が存在する(1I)。つまり,変異の影響を隠すような機構が存在している。ストレスは,この buffering system の機能を低下させる作用がある。
ショウジョウバエやシロイヌナズナでは,HSP90がこの buffering system を担っている。
> 通常の状態では見た目が変わらないような変異をもつ Drosophila で,HSP90を阻害すると変異が顕在化する(1I)。
> シロイヌナズナでも,HSP90の阻害剤で変異が表現型として現れる例が報告されている(1R)。
: Geldanamycin と radicicol という構造的に異なるHSP90阻害剤で,同じ効果が得られた。
: 熱ストレスでも同様に表現型が変化。