2022/12/20 Last update
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リポタンパク質リパーゼ LPL は脳 brain でも発現している(1)。一般に,LPL の基質である TG-rich lipoprotein は血液脳関門 BBB を通過できないため,脳での LPL の機能には未知な点が多い。
ただし,病気などで BBB が損傷した場合には,血中のリポタンパク質が脳に侵入することがわかっている(3D)。
> Pyramidal cell layer of hippocampus, Purkinje cells of the cerebellum およびその他(3I)。
> 神経細胞 neuron で発現させたLPL は,ヘパリンまたは VLDL を培地に添加することで遊離する(3R)。
: VLDL と硫酸銅を培地に加えたあとの生存率は,LPLを発現させた細胞の方が高い。
: 一方,過酸化 VLDL への感受性は LPL 発現細胞の方が高い。おそらく LPL が結合を増やすため。
: 総じて,LPL を神経に発現させても,末梢と同じ機能を果たすことがわかった。
: 神経系が損傷すると VLDL に曝されるため,LPL は損傷からの回復に重要である。
> 神経特異的 LPL-deficient mice は,chow-fed diet 飼育下で食欲増進と肥満 obesity を示す(2R)。
: ただし,この論文では LPL 活性がほとんど低下していない点に注意すべきである。
: 代謝と physical activity も低下する。
: 14C-オレイン酸を含むキロミクロンを注射すると,14C脂肪酸は視床下部に LPL 依存的に到達した。
: これは,視床下部の一部は BBB がないことを反映していると考えられる。
: 食欲増進作用のある AgRP, NPY などの発現が視床下部で増大していた。
: したがって,視床下部は脂肪酸を LPL 依存的にモニターし,食欲制御を行っていると思われる。