MCT1, monocarboxylate transporter 1

2018/05/16 Last update

 

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  1. 腸の MCT1(吸収)
  2. 脳の MCTs(とくに BBB)
  3. 基質の認識

関連項目

 

関連分子

  • 低酸素誘導因子 HIF-1a


概要: MCT1 とは

Monocarboxylate transporter 1 (MCT1) は,乳酸 lactate などの 1 価カルボン酸のトランスポーターである。図は文献 2 から転載。



腸の MCT1

ポリフェノール polyphenol に血管障害のリスクを減らす作用があることは,現在広く知られるようになっている。野菜,穀類,果実などから数百種類のポリフェノールが同定されており(1),フラボノイド fravonoid とフェノール酸 phenylic acid が最も多い成分である。

 

 

 

フェノール酸の一例であるサリチル酸 salicylic acid。アスピリン(アセチルサリチル酸)の関連化合物である。IUPAC 名は 2-hydroxybenzoic acid で,日本語では 2-ヒドロキシ安息香酸または オルト-ヒドロキシ安息香酸。

フラボノイドの一種であるアントシアニン anthocyanin の構造。R1 - R7 には H, OH など様々な官能基が入る。


腸に発現している MCT1 は,これらのポリフェノールの取り込みに関わることが明らかにされている(1)。


基質の認識

フェノール酸およびその類縁体については,以下のようなことが明らかにされている(1)。

 

  1. MCT1 はモノカルボキシル基 -COOH を認識する。
  2. ベンゼン環周辺は疎水性が高い方が親和性が高く,水酸基の増加に伴って親和性が低下。
  3. とくに,メタ位の水酸基の悪影響が大きい。
  4. ベンゼン環と -COOH の間に炭素鎖が入っても,親和性には影響を及ぼさない。

 


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References

  1. 小西 2006 (Review). フェノール酸の吸収機構とその生理的意義. 化学と生物 44, 532-538.
  2. Uhernik et al. 2014a. Regulation of monocarboxylic acid transporter-1 by cAMP dependent vesicular trafficking in brain microvascular endothelial cells. PLoS ONE 9, e85957.