ペリリピンは油滴 lipid droplet (LD) の表面に局在するタンパク質で,細胞質のタンパク質および脂質と結合する。脊椎動物では,2 - 4種のペリリピンが知られている(1)。
> Perilipin 1, 2は細胞質では不安定で,原則としてLDに局在する(1)。Constitutive perilipin。
> Perilipin 3, 4, 5は細胞質でもLDでも安定である(1)。Exchangable perilipin。
> 白色および褐色脂肪組織,steroidgenic cells of the adrenal cortex,精巣,卵巣で発現する(1)。
> 細胞内局在は LD 周辺に限られる(1)。
> かつては Adipophilin, ADRP (adipose differentiation-related protein) ともよばれた(1)。
> ユビキタスに発現し,多くの組織で油滴形成に関わる。細胞内では主に LD に局在する(1)。
> かつては TIP47 (tail-interacting protein of 47kDa) とよばれた(1)。
> ユビキタスに発現し,細胞質にも安定に局在するが,TAG 合成が活発になると LD へ移動する(1)。
> 油滴が成熟すると,perilipin 1, 2に置き換わる(1)。
文献1より転載。緑は小胞体 ER を,オレンジは perilipin 3 を示す。
小胞体から小さい LD が生まれる際に,perilipin 3 が表面に存在している様子を表している。perilipin がどのように小さい油滴を認識するかは明らかになっていないが,ジアシルグリセロール DAG を認識しているものと考えられている。
> かつては S3-12とよばれた(1)。
> 主に白色および褐色脂肪組織で発現し,小胞体から生まれる未成熟な LD に局在する(1)。
> かつては MLDP(myocardial lipid droplet protein), OXPAT(oxidative protein of the PAT family),LSDP5(lipid storage drolpet protein 5)とよばれた(1)。
> 主に褐色脂肪組織,骨格筋,心筋などの脂質酸化が活発な組織で発現する(1)。