体温は,大きく中枢温と末梢温の2種類に分けることができる(1)。
生理学的に脳温に最も近いとされるのは食道温,鼓膜温,肺動脈温であるが,実際には食道温と鼓膜温が最も信頼性があるとされる(1)。
体温調節の中枢は,視床下部 hypothalamus である。ここからの指令によって引き起こされる反応として,発汗 sweating,末梢血管収縮 vasoconstriction,シバリング shivering (寒さなどのため体が震えること)がある(1)。
この3つの反応を引き起こす閾値温度は,皮膚温と密接な関係をもつ。皮膚温の寄与率は,発汗が約10%,その他が約20%である(1)。
全身麻酔導入後には,中枢体温は30分以内に急激に低下し(initial decrease phase),約2時間後は低下が持続(linear phase),その後平衡状態となる(plateau phase)。