3-7-2015 updated
関連項目
その他の麻酔薬
麻酔薬ではなく,鎮静・鎮痛剤である(4)。ドミトールは商品名であるため,メデトミジンと呼ぶのが好ましい。主成分は塩酸メデトミジン medetomidine chloride (右図)。
以下のような特徴がある。
副作用としては
実験動物では,吸入麻酔からドミトールにスイッチし,その後ドミトールのみで麻酔というケースもみられるようである。
光学異性体のデクスメデトミジン dexmedetomidine を主成分とする Dexdomitor (Predex, dextor という商品も)ある。ヒトの手術にはこちらが使われる(4I)。
α2‐アドレナリン受容体のアゴニストである(4I)。
> 数分のオーダーで速やかに全身に行きわたる。脳 brain にも移行することが確認されている(4I)。
: 単回投与 single bolus 後の plasma half-life は, 60 - 100 分である。
: 肝臓で分解される。
> Meditomedine, Zoleti 100, Euthatal の組み合わせで最適な投与量を検討した論文(3R)。
: Sprague-Dawley rat を使用。
: 1st phase では,medetomidine と Zoletil 100 の最適な量比を決定している。
: Medetomidine (35 µg/kg), Zoletil 100 (40 mg/kg)
: Medetomidine (50 µg/kg), Zoletil 100 (20 mg/kg) という組み合わせで SD rat を麻酔。どちらも深い麻酔に至り死亡もみられなかったが,麻酔の長さは異なっていた。
2nd phase
この2つの条件で麻酔をし,Euthatal (pentobarbitone) intra-arteriallly 10 mg/kg/h で様々な生理条件を記録した。
> Euthatal は,5 時間以上の安定した麻酔をどちらの条件でも可能にした。
> Medetomidine 35 µg/kg, Zoletil 100 40 mg/kg で前麻酔した方が死亡率が高かった(36% vs 12%)。
> おそらく,呼吸の抑制の程度が違うためと思われる。
> 以上の結果から,Euthatal と併用するときは,Medetomidine 50 µg/kg, Zoletil 100 20 mg/kg が適量と考えられた。
Medetomidine だけでは,ラットの麻酔を 3 時間以上維持することができない(4I)。
> 筋弛緩剤である pancuronium bromide との併用例があり,4 時間以上麻酔状態を維持できることがわかっている(4I)。
: 複数の薬品を使うと回復過程や結果の解釈が複雑になるので,medetomidine のみで長もちさせる方法が考案されている。
ラットで somatosensory evoked potentials (SEPs) を低減することが知られている(4I)。しかし,投与量依存性はないようである ため,徐々に用量を増やしていくのが良いと思われる。
> 100 μg/kg/h, 300 μg/kg/h, 100 μg/kg/h から 300 μg/kg/h に増やす,の 3 パターンを試した論文(4R)。
: 100 μg/kg/h から 300 μg/kg/h に増やした場合のみ,2.5 - 6 時間の安定した麻酔が可能であった。
: 3, 5, 7, 10 Hz forepaw stimulation で,BOLD response を測定。
: 100 μg/kg/h infusion, interval, 100 and 150 μg/kg/h では,BOLD response が低下。
: 100 μg/kg/h infusion, interval, 200 and 300 μg/kg/h では,BOLD response は変わらない。
> 100 μg/kg/h infusion,
interval, 300 μg/kg/h
では resting state functional connectivity が増える(4R)。
: EEG connectivity も増える。
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