ギ酸 formic acid は右のような構造(3)のカルボン酸 HCOOH である。アリから発見されたためにこの名がつけられている。
> ヒト血液中には低濃度のギ酸が存在する。
: 濃度は 0.302 ± 0.151 mM (n = 8)(2)。
> 内在のギ酸の影響を少なくするため,高濃度で外部標準として用いるのが望ましいだろう。
: 文献 1 では 0 - 5 mM。十分に高くはないように思われる。
: 文献 2 では 15.4 mM。0 - 11 mM の範囲で,添加量とピーク面積が直線性を示す。
> ヒト serum で Ala, Glc, Gly, 乳酸 lactate, Val などを測定している(n = 10; 文献 2)。
: グルコースの値は,NMR で測定すると 0.75 mM 程度低く出ると書かれている。
> 蟻酸塩 formate を外部標準として,血中のグルコース量を測定した報告がある(1R)。
: NMR で求めた値は,生化学的手法で測定した値よりも約 20% 低かった。
: NMR で血漿 plasma,生化学的手法で血清 serum を使ったためと考えている。
: なお,血糖値の自動測定装置には ± 10% 程度の誤差が見込まれるらしい。