9-15-2014 updated
リドカインは 2,6-dimethylphenol (2,6-ジメチルフェノール) が aromatic tail であり,そこに鎖がついた構造をしている。aromatic tail が電位依存性ナトリウムチャネルのブロックに重要であることがわかっている(6R)。
エチドカイン etidocaine, ブピバカイン bupivacaine も似た aromatic tail をもっている。
イギリス英語ではリグノカイン lignocaine。特異性の高い電位依存性ナトリウムチャネルのブロッカー VGSC blocker である(4R)。
> 長期脱分極または発火が繰り返されているときに阻害が起こり,通常の神経活動への影響が少ない(2)。
> ラットの VGSC, L型カルシウムチャネル,GABAA受容体への結合を競合実験で比較した論文(4R)。
: 標識した BTX-B (VGSC), PN200-110 (Ca), TBPS (GABAAR) を使って競合実験。
: IC50 はそれぞれ 128 µM, 5630 µM, > 4mM で,VGCS への特異性が非常に高い。
: この論文では,alfaxalone の GABAA受容体への特異性が非常に高いことも示されている。
> Voltage-dependent, state-dependent の両方の阻害様式を示す(2)。
: 脂溶性が高いため,神経,消化系,心筋の VGSC に結合し,副作用が出やすい。
: 構造の似た analog として,mexiletine が知られている。
Inactivated および resting state VGSC に結合し,その状態を安定化する(1,2)。Inactivated VGSC に対する親和性の方が高いことが知られている(2)。
> Aromatic tail が VGSC をブロックする活性に重要である(6R)。
> SD ラットに,頸静脈 jugular vein から 2% lidocaine の注入を行っている例もある(5)。
: 痛みに伴う Fos の発現を低下させる効果が述べられている。
> 軟膜表面に 8 - 16 mM で投与すると,ヒトで抗てんかん作用を発揮するという報告がある(3I)。
> ラット硬膜外に 1 mM で投与しても,アセチルコリンによるEEG変動を抑制しなかった(3R)。